ポーの話
いしいしんじ、という作家さんを知らないで、美しい装丁と、タイトルの響きで買った本。
文庫派の私としては、ハードカバーを買うのは珍しい。(値段が高いし、場所取るから)
泥川で生きるうなぎ女たちから生まれた、善悪の判断のない純粋なポーという少年が、いろいろな人と出会っていく物語。
割と淡々とした物語だったけど、淡々と美しい話だった。
表紙のイメージ合ってるかも。
表紙を取った下のイラストもかわいいです。
最後は各自想像力を膨らませて、余韻を楽しめる感じに終わってます。
純粋すぎて「ポーめ!!」とちょっぴり怒りにかられる部分もあったり。
「人生」「つぐない」「善と悪」「どうしようもない悪」など、いろいろとキーワードは思い浮かぶけど、あまり深く考えないで泥川の流れをなぞるように、静かに読みたい。
”天気売り””メリーゴーランド””うなぎ女””ひまし油”など、人の名前の付け方が絶妙。
いしいしんじさんの他の作品も読んでみたくなりました。